2021.7.28

コロナ禍2年目 2021年度新入社員研修

コロナ禍2年目 2021年度新入社員研修

社内での研修ノウハウを蓄積する目的もあり、コロナ禍を機に、2020年度から新入社員の入社時研修の実施を外部教育機関から社内へと変更しました。講師は人事部を中心とした社員が務めています。

(株)HDC 人事部 山下紗季

能動的に参加する研修

今年度の教育カリキュラムは、昨年度構築したカリキュラムの各科目の日数などを見直し、内容は同様のものを実施しました。技術的には、Java言語でのWebアプリケーション開発を行えるようになることを目標にしています。またプログラミングスキルだけでなく、SEとして必要な知識であるデータベース技術や、要件定義・設計などの上流工程といったスキルも実践を交え学習します。
新入社員には、受動的ではなく能動的に研修に参加するよう働きかけ、自ら学んでいく姿勢を大切にしてもらいました。その後の配属という未来が見えているからか、研修の他に自学で予習や復習をする社員も多くいました。
当社は情報系学部出身以外からも採用を行うため(2021年度は1割が情報系学部以外の出身)、入社時点の技術スキルにはばらつきがありますが、学生時代からプログラミングに親しんでいた社員が、初学者の社員をサポートするなど、同期間での自発的な助け合いも見られました。

【2021年度新入社員研修カリキュラム】
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研修中の感染対策について

入社式を通常通りの対面形式で行い、新入社員研修についても序盤については集合研修で行っていました。その際も感染対策に考慮し、定期的な換気、ソーシャルディスタンスの確保、飛沫飛散防止用パネルの設置などで感染リスクの低減を図っていました。
その後当社の所在する北海道にも緊急事態宣言が出され、全社的に出勤率を低下させる取組が実施されたため、新入社員研修をテレワークへと移行しました。テレワーク期間中は、新入社員に負荷をかけ過ぎないように配慮し、午前中を主に講義の時間帯、午後を付随する実習に取り組む時間帯として時間割を組みました。
社内で活用していたTeamsをコミュニケーションツールとして利用し、実習の時間帯であってもチャットを通じて質疑を受け付けることで、新入社員が孤立しないよう心掛けました。音声通話することで、新入社員同士でコミュニケーションを取っていたりもしたようです。
テレワークでは、対面での研修実施に比べて個々人の理解度が見えづらい側面があります。日報を活用して個別にフォローしたり、提出物を確認することで各個人の理解度を把握していました。もう一つ不安があったのは、新入社員のメンタル面です。他者との交流が制限される環境がストレスになっていないかを気にかけ、面談を行うことで新入社員のこころの状態に気を配りました。

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【テレワーク中の様子】

コロナ禍での社員との交流

例年は内定期間に一つ上の先輩と懇談会を行うのですが、採用時期からコロナ禍だった2021年入社の社員は、なかなか先輩との交流が図れずにいました。年次の近い先輩の存在が配属後の支えになってくれると感じていたため、テレワークの状況ではありましたが、先輩社員とのオンライン上での懇談会を5月中旬に開催しました。新入社員からは先輩の担当業務の内容や部の雰囲気といった仕事に関する質問のほか、会社の近くにあるおすすめの飲食店など様々な質問がありました。その日の日報には「先輩社員と懇談ができて安心した」などのコメントが多くみられ、実施して良かったと思っています。
また、6月上旬には各部の部長との交流会も行いました。こちらもオンライン上で開催し、各部長からは自部署の仕事内容や主なお客様の紹介などをしていただき、質疑応答の時間も設けました。まだ配属が決まる前の段階で実施しましたが、実際に一緒に働くことになるかもしれない上席者の話は、よい刺激になったようです。コロナ禍で他の社員との交流が少ないことに配慮しての実施でしたが、とても有意義でしたので、この取組はコロナ禍が落ち着いても継続していきたいと考えています。

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【上席者との対談の様子】

テレワークでのチーム開発演習

新入社員研修中に2つのチーム開発演習を行いました。一つは保守開発をイメージした演習で、もう一つは新規開発をイメージした演習です。メインとなる新規開発演習では、レンタルDVD店のインターネットレンタル予約システムを作成しました。チームで開発を行うので対面での実施が理想的でしたが、緊急事態宣言が延長されていたこともあり、基本的にはテレワークで開発しました。新入社員にとっては初めての開発プロジェクトとなりますので、チーム内での役割分担や成果物の連携など、オンライン上で苦労しながらやりとりしていました。社内での実施を想定していた当初の開発環境ではできなかったため、新入社員は大変だったと思います。それでも全員ポジティブに、集中して課題に取り組み、一日が過ぎるのがあっという間だったようです。緊急事態宣言が解除されたこともあり、最終週だけ出社して開発を行いました。新入社員からは「テレワークでの開発のメリット・デメリット、対面での開発のメリット・デメリットの両方が分かった」と感想が寄せられました。
開発演習の中で、研修担当者が顧客役となって模擬打合せをするのですが、これもオンラインで行いました。新入社員が作成した資料を、画面共有機能などを使いながら説明し、実際の打合せのように議事録も作成します。顧客とのやり取りはメールで行うこととしていましたが、最初は拙かったメールの文章も徐々に洗練されたものになっていきました。

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【対面での開発の様子】

成果発表会

チーム開発演習が終わった後、当社の役員やシステム開発部門の部長を前に発表会を行いました。コロナウイルスの感染状況が落ち着いていたこともあり、発表会は対面で行うことができました。新入社員がチームを組んで作成したシステムを発表し、その場での質疑に答えるという内容でした。鋭い質問に新入社員が窮する場面もありましたが、自分たちの力によってWebアプリケーションを完成させた新入社員たちの顔は、心なしか自信がついたように見え、とても良い発表会だったと思っています。

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【発表会の様子】

当初予定していた研修とは変更せざるを得ない部分もいくつかありましたが、研修全体を通して新入社員たちはしっかりと成長していました。今後は配属先でのOJTとなりますが、この新入社員研修をステップとして、配属先で活躍していってくれることを期待しています。

#北海道#研修

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