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    2021年の採用活動を振り返る(前編)

2021.11.17

採用担当者座談会 
2021年の採用活動を振り返る(前編)

採用担当者座談会 <br />2021年の採用活動を振り返る(前編)

新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年(2021年卒)、説明会や選考のオンライン化が一気に進むなど、採用活動は大きく変化しました。コロナ禍での採用2年目となった2021年について、各社の採用担当者にお話を伺いました。

MEMO
★採用モデルスケジュール
3月 説明会・エントリー開始
4月 選考開始
6月 内定開始
10月 内定式

2020年はオンライン採用元年とも言われました。2021年は?

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2021年卒は、会社説明会は3月からオンラインで開催しましたが、選考は対面にこだわっていたため6月以降となりました。周りよりちょっと遅めのスタートでしたが、承諾率は良くて幸い計画通りに終わった、という感じでした。2022年卒は各社オンライン前提で選考の環境整備を進めていたように思います。当社もオンラインに切り替えて選考を進めたのですが、想定以上に苦労することとなり、説明会を追加開催してようやく終えることができたというような状況でした。
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今年はオンラインに力を入れました。承諾率はだいたい昨年と同じくらいです。昨年はインターンシップに参加者が集まらず、不安の中3月から会社説明会を始めたのですが、3月に緊急事態宣言が解除されたからか、毎回満席になるぐらい会社説明会に来てくれました。34月に承諾をもらって、ゴールデンウィーク明けにはほとんど目処が付きました。
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オンライン前提で動いていましたが、昨年は「できれば対面がいい」という学生さんが多かったので、会社説明会も面接もどちらも選べるようにしました。会社説明会は文系の学生さんは対面、理系の学生さんはオンラインを希望することが多い印象でした。面接はほとんどの学生さんがWebを希望。想定していた需要とは少しずれました。
承諾率は今まで相当高かったんですが、かなり下がりました。
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説明会と最終選考は基本的に対面です。選考ステップは対面とオンラインを選べるようにしました。一回目の面接だけは全員オンラインで。まだ集計はできてないんですけど、内定者に取ったアンケートを見てみると、「対面が良かった」という人が何人かいたんですよ。やっぱり対面の方が分かりやすい、面接も対面のほうが伝えやすいようです。
承諾率は例年通りで半分くらいです。
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承諾率は例年と変わらず半分くらいでした。要因は分からないんですけど、マッチする学生さんに会えず、予定の7割しか内定を出せませんでした。8月のインターンシップは例年よりも開催回数が多かったんですが、ほとんど毎回満席でした。でも、蓋を開けてみたら結局採用活動も計画通りにはいかず、8月末まで行いました。当初は必ず最終面接では来社してもらうという方針で進めていたんですけど、やっぱり来社だと厳しいから、学生さんの意向に沿う形で判断することにしました。
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弊社もオンラインを中心に進めていました。オンラインの影響で承諾率が例年より10%ほど下がるかなと予想していたら、実際は20%下がりました。オンラインを使ってどう学生さんとコミュニケーションをとるのがいいか、難しさを感じましたね。
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オンライン採用が進んだことによって、他社との差別化ができなかったと思います。
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会社の魅力を伝えることが大変でしたね。オンライン座談会を数多く開催したり、本当に学生が知りたい情報は何なのかを探りながら、とにかくたくさん話をしました。

オンライン化が進んで、会社のことを理解してもらいにくくなった

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九州に住んでいる内定者が来社して、オフィス見学しましたが、結局辞退で・・・来社したからといって承諾してくれるわけじゃない、と分かってはいるんですけどね。
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本人は東京勤務を希望していたのに、「親に地元にいろって言われたから、辞退します」って・・・。それぞれご家庭の事情はあると思いますが、親御さんの影響も大きいですね。
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承諾してくれたときに、親御さんの意向を確認します。何度も大丈夫か聞きますよ。悩んでいるなら、親御さんと会社が話す機会を設けますよ、って。実際にそうなったことはないんですけど、そのくらい親の意向は大切だから本音を聞きたいし、相談してほしい。
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コロナ禍で友達と話す時間が少ない分、親の影響が大きくなっているのかも。大学に行けなくて親としか話していない、という学生さんも結構いましたね。
今年はサイレント辞退がありました。急に連絡が取れなくなるとか、インターンシップからつながっていたのにぱたっと連絡がなくなることが数件あって・・・。
座談会に全然申し込みがなくて心配になって、一対一の面談や、OBと話す機会を設けたりしたらたくさん来てくれました。こっちが受け身で待っていてはダメで、手取り足取り働きかけないといけないんだなと思いました。
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会社説明会で「質問ありますか?」って聞いても誰も手を挙げないんですけど、一人ずつ聞いていくとどんどん質問が出てきますね。
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アンケートフォームにはたくさん質問が来る。一人一人にメールを打って返信するのは大変なんで、その場で聞いてほしい(笑)。
内定が出てから学生さんが本気を出して、あれこれたくさん質問してくる、というパターンが多い気がしました。サイレント辞退した人たちは、「ちょっと合わないかも」と感じたことを根掘り葉掘り聞けなかったのかな、と思いますね。どんどん聞いてほしいです。
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私も説明会や選考プロセスの中で、気になる事があれば都度質問するように言っているのですが、やはり内定後に色々と質問してくる学生は多いと感じています。どんな質問が多いですか?
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福利厚生とか勤務地、転勤の有無、配属方法、地方の学生さんからは住宅手当についてもよく聞かれます。今年は女性の比率や男性の育休についての質問も多かったですね。地元志向が強い人、自分のライフプランに重きを置いて就職活動をしている人が多い印象を受けました。
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福利厚生を理由に内定を辞退することがないように、早い段階で聞いてほしいですね。
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みんなの前や、採用担当者には聞きにくいみたいで、社員と話す場を設けると、入社年数が浅い人に「ぶっちゃけどうですか?」って聞くようですね。
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先輩との座談会を希望する内定者もわずかで、選考の段階から会社に対して質問する学生さんもすごく少なかった。例年に比べて、会社の理解度が低い人が多い印象ですね。当社は転勤がないという点を結構前面に出しているんですけど、面接を通過した学生さんから「転勤はありますか?」と聞かれると、「大丈夫かな・・・」と不安になります。
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オンラインだけだと記憶に残りにくいのかもしれませんね。
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会社の印象付けがすごく難しいです。オンラインで気軽に応募できてしまうので、会社への志望度に関わらず、また会社の魅力が伝えきれないまま選考が進んでしまう人も多いように思います。特にフットワークが良い人は、いろんなサービスに登録して、企業との接点も多くなるので、企業側が魅力を理解してもらいにくくなってきているんじゃないでしょうか。今年はそんな難しさを感じました。
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オンラインで社員と個別面談してもらったのですが、「何回聞いても仕事内容が分からない」「会社の雰囲気が分からない」と言われ、どうすれば良かったのかが分からなかった人たちが一定数いました。是非入社してほしい、と思っていた人たちに来てもらえないのは、個人的に辛かったです。
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説明会は満席で、選考に参加してくれる学生さんの数も例年と同様だったので問題ないかなと思っていたのですが、承諾の段階で蓋を開けてみて、魅力付けができていなかったことが分かりました。説明会には20名近く参加するので、対面と違い1対1の会話ができませんでした。そのため、学生さんのパーソナリティや必要としている情報を知れたのが面接の段階だったのが、遅かったのかもしれません。また、弊社の場合は承諾前に「必要な情報はないか?」など学生さんに話を聞くと「ないです。大丈夫です。」と言われるものの、必ずしも承諾に至るわけではなく、「理解したけど、納得していない」ことを話してもらう関係を、どう築いていくが課題だと思っています。

オンラインで気軽に応募するようになり・・・

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気軽に応募できるようになったことは間違いありません。あまり下調べもせずに応募した学生さんが、面接で訳わかんなくなったりすることもままありました。お互いに不幸です。
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対面の説明会だと配付物がありますが、オンラインだと手元に何もないから、記憶に残りにくいのかな、という気がします。
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「さっき説明しましたよ」ということを、質問されたり。
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寝てる人もいる(笑)。
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緊張感がないかも。
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カメラオンのままいなくなっちゃったり・・・。
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「何言っているか分からなかった」とか「もっとゆっくり話してほしい」とか、後からアンケートに書かれてもなあ・・・。学生さんにとっては、つまらないYouTubeを見ている感じだったのかな、と思ったりします。
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内定を辞退した人から「採用したいならもうちょっと広報に力を入れないと」と言われてびっくりしました。他の会社の方が動画やホームページが良かったそうで・・・。
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昨年、動画の重要性を感じて、説明会の動画を作成したんですよ。
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ホームページや動画作成の需要はかなり高いようですね。
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動画を作ることはできなかったので、小手先かなと思いながら説明会用のパワーポイントを全面刷新して、動きを付けたら評判が良かったです。オンラインではボディランゲージが使えないので、スライドで勝負!(笑)。写真をたくさん入れたり、YouTuberのような話し方をしてみたり、工夫しました。
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当社も動画を作ったのですが、「こんな風に研究しています」という中身よりもオフィスのきれいさばかりに目が行ってしまうようで、せっかく作ったのに、伝えたいことが伝わっていない。
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エンジニアって、やっぱり向き不向きというか、好き嫌いがある仕事だと思うので、一回触れてみてほしいから、エンジニア志望の学生さんにはプログラミング言語の専門試験を必ず受けてもらっています。学校でプログラミングっぽい授業を受けてるようなのに白紙で出す人がいるんです。足切りの点数ということではないですし、そう説明もしていますが、Web試験だったからうまく回答できてないかも、と確認のために電話したら、「それで大丈夫です」って。無策で挑んできているなあ・・・とは思いますね。
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オンラインなので、服装は自由にしているんですが、夏、タンクトップ姿の学生さんがいました。服装にもマナーはあるし、周りの人への影響も考えてほしいとは思いました。
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オンラインなので、背景をきれいにしたかったんでしょうね。明らかにキッチンのシンクの下に座っていて、時々動くと上の方にシンクが見えるんです。努力している、という感じで微笑ましかったですね。後ろにベッドが写っていると、ちょっと気を遣いますね。
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ハラスメント防止の観点から、部屋のことには触れないというルールにしているので、話のきっかけづくりで飾ったのかな?と思うような物があっても、話題にできないのは残念です。
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オンライン面接で、志望動機を読んでいる人がいますよね、暗記でもなくて。こっちを見てるんだけど、焦点が合っていない。
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ちょっと言葉が詰まったりしてもその人の言葉が聞きたいのに。エントリーシートに書いてあることと全く同じことを言うのは時間がもったいないです。
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社会勉強のために来る人もいますね。冷やかしじゃないのかも、とちょっと期待してしまうんですけど。
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ラインのオープンチャットのトークルームで学生同士が盛んにやり取りしているようですね。承諾後にも活動している人も多いです。
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内定式が終わった後で、大学の勉強も一区切り付いたから他社のインターンに参加してみたら、自分がやりたいのはそっちかも、って・・・。
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どんな覚悟で承諾したんでしょう・・・。

・・・後編に続く

#IT業界#就活

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