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2020.7.22

教育ボランティア活動②

K3Tunnel(ケイサントンネル)を活用した小学校プログラミング教育支援

 K3Tunnel(ケイサントンネル)を活用した小学校プログラミング教育支援

プログラミングの持つ可能性や楽しさを一人でも多くの子どもたちに伝えるために、ボランティアでプログラミング出前授業を行っています。

日鉄ソリューションズ(株) システム研究開発センター 今野 奈穂子

はじめに

私たちは、普段SIerとしてお仕事をさせていただいていますが、2017年より、小学校プログラミング教育支援活動を展開しています。
2017年8月に自社開発のプログラミング学習サイトK3Tunnelを公開、同年秋より、小学校高学年向けのプログラミング講座を展開しています(2019年度までに延べ25校、授業回数約60回)。年間1万人の子どもたちにK3Tunnelの授業を届ける」ことを目指して活動を続けています。

K3Tunnelの特徴

K3Tunnelは「計算するプログラミング」を主なテーマとするプログラミング学習サイトです。 グラフ出力を特徴としたビジュアル・プログラミング・ツールとSIerならではの視点を活かした学習コンテンツを提供しています。

小学校での取組

出前授業


5、6年生を対象に45分×2コマで実施しています。メイン講師1名+フォロースタッフ4名程度で実施することが多く、使用する教材は、すべてK3Tunnelサイトで公開している小学校プログラミング講座向けの「ミッション」です。「ミッション」は、いずれも「身近な問題を、プログラミングを使って解決するとはどういうことか」を体験するものとなっています。
どのコンテンツで授業を実施するかは、事前に小学校に伺い、先生方と相談して決めています。その中でも「パン屋さんアドバイザー」は、プログラミング教育だけでなく、キャリア教育の観点からシステムエンジニア体験講座として、PTAイベントなどでもやらせていただいているので、紹介したいと思います。


Mission#06パン屋さんアドバイザー


システムエンジニアは、コンピュータシステムのチカラを使って、お客様の「こまった」を解決するお仕事であると紹介したのち、「売り切れたり売れ残ったりすることが多くてこまっているパン屋さん」を助けるというストーリーのもと、以下に取り組みます。

1. パン屋さんの需要データのグラフを分析
2. 需要変化のルールを抽出して設計書を作成
3. チュートリアルを使ってプログラミング
4. パラメータチューニング

授業実施前は、先生方から「難しすぎるのではないか?」という意見をいただくことが多いのですが、実際には、ペアで協力しながら、データ分析からプログラミングまで積極的に取り組んでくれる子がほとんどです。終了後は「SEという仕事に興味がわいた」「グラフをみて予想して考えたりするのがおもしろかった」などの感想が聞かれることが多く、私たちを喜ばせてくれます。
10年後、彼らが職業を選ぶときに、システムエンジニアが選択肢に入っていたら、これほどうれしいことはありません。そして、いつの日か、K3Tunnelの授業を受けた若きエンジニアが目の前に現れてくれる日を夢見ています。


先生方への支援として


小学校でのプログラミング教育を、普段の学習の文脈に組み入れていくという観点からは、先生方が授業を実践できるのが一番いいと考えています。しかし、現場の先生方とお話をしてみると、様々な理由から及び腰になってしまうようです。そこで、準備負荷を低減し、かつ、教科の学習に取り入れやすい教材として、「Mission#09 データをめぐる謎を探れ!」を公開しました。指導案、アニメーションによる進行を含むスライド、ワークシートをセットで提供しています。また、ご要望に応じて、教員向けのデモ授業も実施させていただいています。
この「データをめぐる謎を探れ!」は、児童が架空の小学校にある探偵クラブの一員として、2つの依頼に応えていくというストーリーに沿って進めます。


依頼1「4つの新聞で、水泳クラブで『1番速い人』が異なるのはなぜだろう」

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依頼2「4人の中から誰を代表選手に選べばよいか、データ分析をしてアドバイスがほしい」

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授業の最後でペアごとに根拠を持って選んだ選手の名前を一斉にあげる場面は、大変盛り上がります。


他のIT企業と連携して


当社による出前授業、先生方への支援に加え、他のIT企業、特に地域密着型で活動しているIT企業が地元の小学校で出前授業をする取組もしていきたいと考えています。
そのひとつとして、出雲市での取組を進めており、20201月には、パイロット授業を実施しました。今後も、地元企業による出前授業が展開できるように連携していく予定です。

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おわりに

私たちは、「SIerだからこそ、子どもたちに伝えられることがあるはずだ。」という想いからコンテンツ開発を進めています。
世の中で使われているITシステムの裏側や、それを支える私たちの仕事を身近に感じられるようなコンテンツを、ひとりでも多くの小学生にお届けできるように、これからも活動を継続していきます。

※K3Tunnel(ケイサントンネル)は日鉄ソリューションズの登録商標です。

#CSR#プログラミング教育#ボランティア

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