委員会名 | ISO/IEC/JTC1/SC7/WG7(Life Cycle Management) 議長国:カナダ セクレタリー:英国 |
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対象規格 |
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活動内容 | この委員会は、システム及びソフトウェア技術のプロセスを策定、審議する委員会である。特に中心となるのは、ソフトウェアのライフサイクルプロセスであるISO/IEC 12207と、システムのライフサイクルプロセスであるISO/IEC 15288である。この2つの規格はアンブレラ規格と呼ばれ、全ての規格からプロセスを参照される重要な規格である。 ISO/IEC 12207が1995年に制定され、ISO/IEC 15288が2002年に制定されたが、2つの規格のプロセス記述の粒度が異なっていたため整合を取る活動が続けられてきた。その成果として2008年に記述の粒度やプロセスの整合を取ったものを制定した。現在、この2つの規格の融合を進め、統合して行く活動を行なっている。 また、2つの規格の利用ガイドを作成する活動も行なっている。それがISO/IEC 24748である。 さらに、本委員会はシステム及びソフトウェアのプロセスを策定、審議するというWGのため、プロセスに関連する多くの規格も対象としている。ISO/IEC 29148(Requirements Engineering)やISO/IEC 15026(System and Software assurance)などがこれに当たる。ISO/IEC 29148は要件定義のプロセスを規定するものであり、その要求の段階によりステークホルダ要求、システム要求、ソフトウェア要求と細分化していくプロセスを決めている。またISO/IEC 15026は、旧版をシステム及びソフトウェア完全性レベルと呼び、システムやソフトウェアの完全性を段階で表した規格であったが、新板はさらに一歩進め、システムとソフトウェアをどのように保証するかを規定したものである。 |
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日本の活動状況 | 日本は本委員会の活動に積極的に関わっている。ISO/IEC 29148に1名、ISO/IEC 15026には2名のコエディタを配置し、規格の作成に日本の意見を積極的に反映させている。ISO/IEC 29148にはIPA/SECで提言していた超上流プロセス(要件定義以前のプロセス)の考えを持込みステークホルダ要求プロセスの策定を推進した。また、ISO/IEC 15026のPart2、Part3、Part4にコエディタを配置し、システムとソフトウェアの保証に関して、日本の意見を取り入れたものになっている。例えばPart4の参考文献として、IPA/SECで発行している書籍「経営者が参画する要求品質の確保」の中の「超上流から攻めるIT化の原理原則17ヶ条」を英訳してTR化する動きもある。 |
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JISAの対応状況(リエゾン委員) | 技術委員会標準化部会の委員が指名され、情報サービス業界の代表として参加している。 |
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情報サービス業界への影響 | ISO/IEC 12207とISO/IEC 15288はソフトウェア、システム開発の基本となるプロセスを規定したものであり、国際的にもこの2つの規格に準拠した開発が一般的になっている。外国企業と協業してシステム構築、ソフトウェア構築を行う場合、共通の認識として開発プロセスの策定が必要であり、この規格を使用することが重要になってくる。 ISO/IEC 29148は要件をいかにまとめていくか(ISO/IEC 12207とISO/IEC 15288の要件定義部分の再構成)のプロセスとシステム、ソフトウェアの要件定義に必要な項目などについて記述されており、今後JIS化されれば要件定義の標準プロセスとして確立すると思われる。このため早い段階から取り組む必要があると思われる。 ISO/IEC 15026は、出荷、納品するシステムやソフトウェアを保証するといった観点から今後重要な規格になってくると思われる。 |