委員会名 | ISO/IEC JTC1 SC7WG10 (Process Assessment) ・議長国:イギリス ・プロジェクトエディタ:オーストラリア |
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対象規格 |
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活動内容 | この委員会は、プロセスアセスメントモデルとアセスメント手法およびアセスメントに基づく組織のプロセス改善についてのガイドを整備することを目的としている。 既に発行されているマルチパート構成のISO/IEC 15504では規格の骨格をなすPart1〜Part4と規格発行当初からラインナップされていたソフトウェアライフサイクルプロセスに基づくアセスメントモデル例(Part5)の他に、システムライフサイクルプロセスに基づくアセスメントモデル例(Part6)、運用サービス分野向けのアセスメントモデル例(Part8)、機能安全に関わるアセスメントモデル例(Part10) というようにさまざまなアセスメントモデル例が追加された 他、組織成熟度の評定を意図したもの(Part7)、プロファイル設定に関するガイド(Part9)といったPartが追加され、規格が拡大の一途をたどっている。 このような状況で、ISO/IEC 15504の後継規格としてISO/IEC 33001シリーズの検討が開始され、規格内容のリニューアルと規格の構成の再整理がなされている。 また、33001シリーズの検討と並行して、適合アセスメントの定義を規格化する活動としてISO/IEC 29169の検討が進められている。 |
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日本の活動状況 | 例年8月を除いて月1回の国内小委員会が開催される他、メーリングリストによる案件審議などが行なわれている。 国際の場に対しては、日本からは4名の国内小委員会メンバが各Partのエディタとして参画している他、国際会議には複数のメンバが毎回参加することによって規格の検討に寄与している。 また、適合アセスメントの定義の規格化によって、当初の規格の理念であった「アセスメント結果に対する認証は行なわない」という原則がISO/IEC 29169では崩れてしまうことに懸念をしており日本は反対の立場であるが、国際会議への参加各国は日本以外賛成の立場をとっているため、本規格の国際の場での対応に苦慮している状況にある。 |
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JISAの対応状況(リエゾン委員) | 情報規格調査会会員企業メンバがJISA技術委員会標準化部会とのコネクションになっている。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
情報サービス業界への影響 | 日本ではアセスメントモデルのデファクトスタンダードとして米国SEIのCMMIがあり、航空宇宙分野でISO/IEC 15504ベースのモデルを開発し、アセスメントを実施している他、ごく一部の企業で独自のアセスメントモデルによるアセスメントと改善が実施されているのみで、IPAよりパブリックドメインのモデル(SPEAK IPA版)が公開されているものの情報サービス業界への影響は現段階では限定的である。 自動車部品メーカが欧州のOEMより調達のためにISO/IEC 15504ベースのAutomotiveSPICEによるアセスメントを受け入れている状況はあるものの、欧州で動き出している医療分野や金融分野へのISO/IEC 15504ベースのアセスメントは、まだ広がりを見せていない。 個人的な見解ではあるが、日本国内においてこの手の規格は認証取得という側面で捉えられ勝ちであり、認証が事業遂行上必要にならないと広がりを見せない風潮がある。本来、プロセスアセスメントは組織のプロセスの改善強化のための気づきを得るためのものであり、企業競争力の原点であることを業界が認知することで初めて本質的な規格の利用、普及が図れると考えられる。そのときにこそ当委員会の活動成果が情報サービス業界への影響が大きくなることを期待する。 |