この報告書はプロジェクト健全性ガイドライン4つめのレポートです。
内容紹介
(「はじめに」から)
「プロジェクト健全性評価」については、研究会の前身となる技術委員会・標準化部会・プロジェクト健全性評価指標WGからプロジェクト健全性評価研究会へと引き継ぎ、約7年の間、継続して議論を重ねてきた。当初は顧客満足度指標の業界標準化を目指して発足したものだが、委員の顔ぶれも変化する中でITシステムの開発・運用に係る品質管理・評価指針を確立すべく真摯な議論を重ねてきた結果、現在はプロジェクトのステークホルダー間の意識共有や合意形成を俯瞰してプロジェクトを評価することで、よりITシステムやプロジェクトの根幹を見つめるものにシフトしてきている。研究会では、こうした流れは、利用範囲が拡大し複雑化多様化の進むITシステムを評価しようとすれば必須となる視点だと考えており、そうした面からプロジェクト健全性評価についてはプロジェクトにおける諸々の管理において活用する意義があるものと考えている。当ガイドラインを参考に「プロジェクト健全性評価」の評価活動が浸透することで、多くのITシステムが継続的に良好を保ち、社会や事業に繁栄をもたらす一助になれば幸いである。
以上については本文中にて詳述することになるが、初心を忘れることのなきよう以下に2012年に公表した「プロジェクト健全性評価指標」における「考案の目的」と「健全なプロジェクトとは何か」を再掲しておきたい。
- プロジェクト健全性評価指標考案の目的<2012年版より>
本会では、プロジェクトを常に良好な状態、すなわち各ステークホルダーが目標を達成しやすい環境を構築することを目的に「プロジェクト健全性評価指標」を考案した。本指標は、ステークホルダー間の人間的な側面にスポットを当て、ステークホルダーの「行動」と「行動から生じた結果(有形、無形の成果物)」で評価し、その評価を相互に受け入れることで、真のパートナーシップを醸成する。
- 健全なプロジェクトとは何か<2012年版より>
情報システム開発プロジェクトは、従来、主に受託者を中心に開発してきたが、昨今は利用者及び発注者も含めて、それぞれの立場のステークホルダーが、密に連携し合ってプロジェクトを遂行するようになってきている。本来プロジェクトは、さまざまな視点を持つ人々が集まってゴールを目指すもので、特定の立場の人だけの努力で、ゴールを達成することは難しい。
プロジェクトが「健全である」とは、立場が異なるステークホルダー同士が、お互いの状況や立場を理解・尊重し、協働してWin-Winの関係を保って、プロジェクトのゴールに向かって進み、最後には全ステークホルダーが満足する状態を指す。プロジェクトが「健全」であれば、成果物の品質向上、コスト削減、納期遵守が期待できる。
目次
1.プロジェクト健全性評価について
2.プロジェクト健全性評価の指標体系
3.プロジェクト健全性評価の評価活動ガイド
Appendix A 係争事例の健全性評価による分析
Appendix B 健全性評価活用の事例と評価
概要等公開資料
「プロジェクト健全性評価-評価活動ガイドライン-」報告書PDFダウンロード
お問合せ先
担当者:JISA 企画調査部 佐藤
TEL:03-5289-7651
Email:report@jisa.or.jp
備考
本レポートは、
・23-J013 プロジェクト健全性評価指標
・25-J010 プロジェクト健全性評価指標 利用ガイドライン 目的別編・・・キックオフへの適用
・26-J009 プロジェクト健全性評価指標 利用ガイドライン 目的別編・・・テーマと課題の検討
に続く、4つめのレポートです。