JISA、「プロジェクト健全性評価指標 第一版」を公開

2012年7月27日


一般社団法人情報サービス産業協会(JISA)は、このたび「プロジェクト健全性評価指標 第一版」をJISAウェブサイトにて公開しました。

※レポート入手先:
JISA技術委員会ウェブサイト 


開発した情報システムの品質を測定する際、従来は受託者が発注者に対して「顧客満足度」を調査する手法が多く用いられてきました。

これに対して本評価指標は、まったく新しい視点でプロジェクトを評価する「考え方」と「評価指標」を提案するものです。

 プロジェクトの成果品質を向上するためのツールとして、ソフトウェア開発プロジェクトに関わる方々に広く活用されることにより、良好なプロジェクトが多数生み出されることを期待します。

■本評価指標を策定した背景
昨今のソフトウェアは高度に「複雑化」する一方で、開発プロジェクトの「短期化」「低コスト開発」という相反する要望が強くあります。

 その実現のためには、プロジェクトに関わるすべての関係者(ステークホルダ)が協調し合わなければ、プロジェクトの成果品質を向上させることは困難です。

■プロジェクトの「健全性」とは
本評価指標では、立場が異なるステークホルダ同士が、お互いの状況や立場を理解・尊重し、協働してWin-Win の関係を保って、プロジェクトのゴールに向かって進み、最後には全ステークホルダが満足するようなプロジェクトを「健全」と考えます。プロジェクトが「健全」であれば、成果物の品質向上、コスト削減、納期順守が期待できます。

■評価指標の体系
本評価指標は人間的側面にスポットを当てていることから、評価は定性的であり、各ステークホルダの視点からランク付けをもって評価します。
ステークホルダは、プロジェクトごとに評価指標を取捨選択し、あるいは独自に追加作成し、開発期間の中で適宜評価を行います。

■評価指標適用の効果
1. 問題プロジェクトの未然防止
プロジェクトが問題化する原因のひとつに、ステークホルダ間の認識のズレがあります。評価指標を用い、相互に現状を確認し合うことで、ステークホルダ間の齟齬を解消でき、問題プロジェクトの発生を抑止することができます。

2. 顕在化した問題の解決
問題が顕在化してしまった場合には、評価指標を活用することで、ステークホルダ間の「どこに」「どのような」問題があるかを抽出できます。問題を認識できれば、対策も容易となり、改善活動に繋げることができます。

3. プロジェクトマネジメントへの活用
PMO(Project Management Office)の観点から考えると、多くのプロジェクトに本指標を適用することで、モニタリングが可能となり、問題プロジェクトの早期発見、最小限のトラブルへの押さえ込みが可能となります。。


問い合わせ:一般社団法人情報サービス産業協会 広報サービス部 press@jisa.or.jp 03-6214-1121

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