JISA,世界初の要求工学知識体系REBOKを刊行。

2011年6月30日

JISA,世界初の要求工学知識体系REBOKを刊行

要求工学知識体系  一般社団法人 情報サービス産業協会(JISA)は、このたび情報システム開発の現場で、要求定義を組織的に実践するためのガイドライン「要求工学知識体系(Requirements Engineering Body Of Knowledge:REBOK アールイーボック)」を取りまとめ、刊行しました。本書は、ユーザとベンダが共通して要求工学を理解し、活用するための知識を、実践の観点から整理し体系化しています。

 我が国の情報システムの開発現場における実現技術(How)は、世界的に高い競争力があるにも拘わらず、その力を十分に生かし切れていないと指摘されてきました。その根本問題のひとつには、何を(What)作るか、どのような問題を解決するかを明らかにする、要求定義にあると考えられています。

 要求定義を組織的に実践するための「要求工学」は、これらの課題解決の中核技術といえます。ユーザとベンダの双方が「要求工学知識体系」を活用して要求工学を実践することで、競争力の強化を図ることが期待されます。

【補足説明】
1.検討の経緯
 情報サービス事業者の競争力の源泉の一つとして、上流工程の技術力の高度化を目指し、平成18年度より要求工学調査委員会を設置、平成21年度からは要求工学知識体系を策定するワーキンググループとして再編成し、現在まで要求工学の研究と普及の推進を継続的に実施している。

2.知識体系のビジョン、目標
 要求工学知識体系のビジョンは、要求工学が理解され、正しく適用され、良い要件定義ができることにより、ソフトウェアの価値向上と社会活動の向上が実現されることである。

 要求工学知識体系は、要求工学を適用する専門家のみならず、エンドユーザ、経営者を含めて、情報システムに関わるすべての人が要求工学を共通に理解できる基盤となることを目標としている。

3.今後の予定
 「要求工学知識体系」に準拠した解説書の発行、教育カリキュラムの作成やセミナーを実施する。すでに国際学会での発表を通じて、海外研究者および海外企業からの問い合わせもあり、英語版の制作にも取りかかる予定。

【要求工学とは】
 ビジネスや製品の企画から情報システム開発、ソフトウェア開発に至る要求を組織的、かつ、合理的に定義するための技術。社会、ビジネス、情報システムの価値を高める技術である。

【要求工学知識体系REBOKの特徴】
 REBOK 5原則(本書2~3頁参照)を基本方針として、要求工学知識体系は作成された。

1.ベンダ、ユーザが共通に利用できる知識体系とする
2.要求アナリストに加えて、エンドユーザ、経営者など、要求工学に関与するアクタが必要に応じて習得すべき範囲と水準を整理した知識体系とする
3.ビジネス要求、システム要求、ソフトウェア要求の3つのスコープに応じた知識体系とする
4.エンタープライズシステム、組込みシステムの要求工学に共通する技術の知識体系とする。
5.グローバルに広く利用できる形態とする。

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問い合わせ:一般社団法人情報サービス産業協会 企画調査部 鈴木 03-6214-1121


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