【JISA】SaaS・ASPビジネスに関する会計ルールの論点整理を公表

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2010年6月21日

SaaS・ASPビジネスに関する会計ルールの論点整理を公表

 JISAは、今後成長が期待されるSaaS(Software as a Service)・ASPビジネス用ソフトウェアの会計ルールについて我が国で初めて現行の会計基準をもとに5つの論点整理を公表した。

情報サービス業界では平成13年頃からASP(Application Service Provider)とよばれる事業者がネットワーク上でソフトウェアを提供するビジネスを展開してきた。近年、このASPビジネスは、ユーザにおけるITコスト圧縮ニーズの高まりとネットワーク関連技術の進展により、クラウド・コンピューティングの流れのなかでSaaS(Software as a Service)として位置づけられ、さらなる成長が期待されている。

 しかし、このビジネスを支える会計ルールはASPビジネスの黎明期に公表されたものであるため、会計基準上で独立した項目として扱われておらず、会社によってルールの解釈に違いが生じている(下図参照)。

ASPにおいて適用している会計基準

 今後、SaaS・ASP市場が成長するなかで、このルールの解釈に違いが生じている現状を放置すれば、同市場及び産業の健全な発展の阻害要因となりかねない。

 そこで、JISA企画委員会財務税制部会では、専門のWGを設置して、SaaS ・ASP事業用ソフトウェア・サービスを次の4種類に類型化して定義づけを行うと共に、SaaS・ASPビジネスの会計処理に関する実態調査を実施し、その結果を参考に現行の「研究開発費等に係る会計基準」をふまえて、「SaaS ・ASP の会計処理に関するワーキンググループの論点整理」として4つの論点に整理した。

SaaSASP事業用ソフトウェア・サービスの4類型

「一般的なASPサービス」 : 

  データセンターにサーバーを設置し、インターネット等を通じて、ユーザにサービスを提供(ユーザは、使用量や期間に応じて料金を支払う)する形態。ユーザはデータセンターのサーバーを通じてのみサービス提供を受けることができる。

特定の顧客向けに制作するソフトウェア(アウトソーシングサービス目的のソフトウェアなど)と不特定多数の顧客向けに制作するソフトウェア(共同利用型サービス目的のソフトウェアなど)がある。

「一般的なASPサービスと通常のパッケージ販売の混合型」:

一般的なASPサービスに加えて、一時金による永続的な利用(ライセンス購入)の選択ができる形態。

「パッケージソフトの期間利用型」:  

 不特定多数の顧客向けに制作したソフトウェアを、インターネット等を通じてユーザにライセンスを提供し、ユーザはそのソフトウェアをPC・サーバー等にインストールすることにより、ソフトウェアを利用する。ユーザは、使用量や期間に応じて料金を支払う形態。

「パッケージソフトの期間利用型と通常のパッケージ販売の混合型」:

パッケージソフトの期間利用型に加えて、一時金による永続的な利用(ライセンス購入)の選択ができる形態。

SaaS ・ASP の会計処理に関するワーキンググループの論点整理」でとりまとめた論点

● SaaS・ASP事業用ソフトウェアの償却期間● SaaS・ASP事業用ソフトウェアの資産計上時期
● SaaS・ASP事業用ソフトウェアの償却開始時期
● SaaS・ASP事業用ソフトウェアの償却方法

なお、本公表の詳細は次の報告書の第1部に収録されている。

22-J003「近時の情報サービス業界の会計動向に関する調査報告」 http://www.jisa.or.jp/report/index-h21-j.html#21-J003


問い合わせ先:(社)情報サービス産業協会 企画調査部 田中 TEL:03-6214-1121 webmaster@jisa.or.jp


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