S4f ワークショップ

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講演タイトル

要求工学知識体系REBOKに基づくシナリオ分析
真の要求を抽出するためのテクニック  

講師

東芝ソリューション(株) 生産技術センター
主幹 位野木 万里

概要

一般に、顧客の真の要求に応えるための要求定義には、ドメイン知識、分析力、交渉力などの様々な能力と経験を備えたベテランの分析者でないと、困難と考えられています。一方で、こうした困難なタスクにたいしても、顧客が直面する課題を洗い出し、解決策を考案し、システム・ソフトウェア要件にまとめることを工業的に実行できるように、「要求工学」技術の体系化が進んでいます。

情報サービス産業協会により2011年に要求工学知識体系REBOKが公開されました。これは要求工学に関する基本知識とその実践のための技法に関する知識を整理して示したものです。

REBOKにおいて、要求定義は、要求獲得、要求分析、要求仕様化、要求の検証・妥当性確認・評価のプロセスで構成されるとしています。これらプロセスを実践するには様々な技法が存在します。本講座ではとくに、最も身近で技術者ではないステークホルダー間でも議論がしやすく要求を引き出しやすいとされる「シナリオ」分析を取りあげます。そして、顧客から真の要求を獲得するための極意をワークショップ形式で議論しながら習得していきます。
 
※REBOK: Requirements Engineering Body Of Knowledge 要求工学知識体系,情報サービス産業協会,REBOK企画WG: 近代科学社 (2011).

プロフィール

東芝ソリューション㈱ 生産技術センター 主幹.
1991年早稲田大学大学院理工学研究科数学専攻修士課程修了,同年㈱東芝入社.2013年4月より現職.
2008年早稲田大学大学院理工学研究科情報・ネットワーク専攻博士課程修了,博士(工学).
専門はソフトウェア工学,要求工学.ソフトウェア資産および経験的に得られた暗黙知を形式知化し,それらを再利用する手法の考案,実開発での適用に従事.国立情報学研究所特任教授(2012年~).
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