S1b 事例研究

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講演テーマ

開発文書の品質向上への取り組み~開発文書品質とプロジェクト実績との相関~

発表者

アヴァシス株式会社
星野 武嘉

概要

当社での要求仕様書レビューにおける指摘事項を分類してみると、「書いている意味がわからない」といった「あいまい表現」に対する指摘が多いことが分かった。そのため、SPES2011事例研究 「派生開発における要求仕様書の品質向上活動」では、要求仕様書のレビュー前にあいまい表現を指摘するツールを使って文書品質を向上する方法を提案した。しかしその後に調査した結果、この方法だけでは十分な効果は得られなかった。

そこで、要求仕様書を始めとする日本語で書かれた、開発文書に対する記述方法を教育する必要が生じたが、日本語の開発文書に特化した文書の記述方法を教育するセミナーは存在しないため、自社で教育を行うこととなった。 教育では、自社のプロジェクトから例文を抽出して、教育コンテンツとし、受講者に課題を書いてもらう実習を取り入れた。

その後、教育の受講者が携わった開発プロジェクトを調査した結果、要求仕様書や設計書の「あいまい比率」がプロジェクトの生産性や不具合率に影響を与えていることが判明した。このことから、開発文書に対する記述方法の教育は効果があり、開発文書における「あいまい表現」の比率は、プロジェクト品質の1つの指標となり得ることが分かった。

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