第2回 技術強化委員会

 平成26年11月5日、第2回技術強化委員会(委員長:國井秀子 (株) Pro-SPIRE)がJISA会議室で開催された。参加者は19名。当日は傘下部会およびWGの26年度上期の活動を中心に意見交換を行った。

1.上期活動報告
(1) 技術企画部会(部会長:國井委員長兼任)
 部会としては関連団体との連携活動を推進し、特に情報処理推進機構(IPA)、enPiT(分野・地域を越えた実践的情報教育協働ネットワーク)、統計数理研究所、情報処理学会等が主催するセミナーやシンポジウムの協賛を行った。
 情報技術マップWG(亀津敦:野村総合研究所)は平成25年度報告書を6月に発行し、今年度調査は11月から開始する。今年度調査の特徴は、ビッグデータおよびモバイル系技術の調査項目の見直しと、システム更新の実態を把握するための深掘り質問が追記されたことである。
 クラウド技術調査WG(吉成安宏:富士通エフ・アイ・ピー)は、4月に「クラウド時代の新しいソフトウェア開発の潮流」を発行し、11月に「クラウドインテグレーションにおけるSLAの検討ポイント」を発行する予定である。今後は両レポートの普及に努める。

(2) ソフトウェアエンジニアリング部会(佐藤敏明:リコーITソリューションズ)
 SPES企画WG(中元秀明:野村総合研究所、当時)では7月に「SPES2014」を開催した。例年の課題である参加者数の減少が課題として指摘され、次年度は運営方法や体制を見直し、コンベンション等との連携を深めることにする。
 ビッグデータに関する活動は「ビッグデータ解析入門」セミナーを開催した、東洋大学 野中誠教授を講師とした本セミナーは高評価を得、次年度以降も産学連携を継続し、人材育成のエコシステムとしていく。

(3) 要求工学推進部会(青山幹雄:南山大学)
 REBOK普及WGでは、要求開発の実践事例を共有し、要求開発の底上げに繋がる活動を前年度に引き続き実施している。
 REBOK企画WGでは、要求工学知識体系(REBOK)の要求獲得プロセスで利用する技術を使ったパターンの整理と、REBOK英語版の制作を進めている。

(4) 標準化部会(伏見諭:東海大学)
 部会では情報規格調査会へ派遣しているリエゾン活動の情報共有と、12月に標準化の普及定着に資するセミナーを開催する。
 ITBIZ改訂WG(木村雅信:キヤノンITソリューションズ)は9月に「ITbiz標準 活用ガイド2014」を発行し、関連機関への周知、当産業への普及促進に繋がる活動を行っている。
 健全性評価指標WG(早乙女真:NTTデータ経営研究所)は、プロジェクトの健全性という考え方について、ユーザ企業からヒアリングを行っている。指標をもとにした取り組みだけでなく、コミュニケーションに重点を置いたプロジェクト健全性を維持する仕組みを検討している。
 VSE標準WG(部会長兼任)は、4月に「VSE標準 導入の手引きを」を発行し、さらにVSE に Security & Safety を組み込むための議論を継続している。

(5) 情報セキュリティ部会(丸山宏:統計数理研究所)
 6月に3つのレポート「情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)とクラウドセキュリティの国際規格動向」、「クラウドコンピューティングのセキュリティ」、「情報セキュリティにおける訓練の方法論とベストプラクティス」を発行した。
 引き続き情報セキュリティマネジメントおよびクラウドセキュリティの国際規格の動向を調査する。また高度情報セキュリティ人材の育成に関する情報収集を行う。

2.次年度活動に向けて(意見交換)
 キーワードとしてアジャイルを取り上げ議論を進めた。
 特にアジャイルプロセスを活用した事例が少ないのではないかとの問題提起に対して、人材不足、請負契約への固執、アジャイルへの過度な期待や誤ったリスク認識、官公庁事例の少なさなどが普及の阻害要因として挙げられた。
 アジャイルプロセスが利用されるためには業界としてどのような取り組みが可能か、ソフトウェアエンジニアリング部会で検討する。

 次回は2月開催を予定している。

 (鈴木)

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