第1回 技術強化委員会

 平成26年6月3日、第1回技術強化委員会(委員長:國井秀子 (株) Pro-SPIRE)がJISA会議室で開催された。参加者は20名。当日は25年度の活動報告、26年度の活動計画について議論した。

 議事に先立ち、國井委員長から4月に訪問した米国でのソフトウェア産業の状況について報告があった。
まず訪問した大学では、ソフトウェア分野の学生が数千人規模在籍していること、関連学科が10程度あること、またある企業のソフトウェア関連職では今年千名単位で採用があること、ソフトウェアエンジニアリングの定着と普及、アプリケーションのますますの伸長などソフトウェア産業全体のパイが広がっていることなどが紹介され、彼我の差の大きさと日本のソフトウェア産業の危機感のなさを指摘した。
シリコンバレーではアントレプレナーシップの醸成、インキュベーションへの取り組み、国費に頼らない多様な資金調達など、人材の流動化だけでは説明のつかない産学連携の仕組みには学ぶものが多いと示唆された。

(1) 25年度活動報告
技術強化委員会傘下の部会、WGで作成、発行した書籍、レポート等を紹介した。書籍は一般書店で購入でき、レポートはWEBメンバー(正会員法人会員のうち登録を希望した社員の方)にのみ公開している。
・デジタルプラクティス特集「要求工学で情報システム開発を変える:ユーザとベンダのWin-Win Wayへ」(平成25年4月、情報処理学会)
・小規模組織のソフトウェアライフサイクルプロファイル-第2部:枠組及び分類指針(JIS X 0165-2) ISO/IEC 29110-2翻訳(平成25年、6月日本規格協会)
・標準化ウェブリニューアル公開(平成26年2月)「ITビジネス標準化に役立つ情報をまとめて紹介する本」内容を掲載した。
・要求工学実践ガイド(平成26年3月、近代科学社)
・VSE標準導入の手引き(平成26年4月)
・クラウド時代の新しいソフトウェア開発の潮流~米国のAgile/DevOps適用事例からみる日本のIT業界が求められる転換~(平成26年4月)
・プロジェクト健全性評価指標 利用ガイドライン 目的別編・・・キックオフへの適用(平成26年5月)
・情報セキュリティ部会活動報告書(平成26年5月)
・情報サービス産業における技術マップに関する調査報告(平成26年6月)

(2) 26年度活動計画
基本的には25年度活動の継続である。
新規にアジャイルプロセスをテーマとする活動をソフトウェアエンジニアリング部会傘下で検討することが提案され、了承された。
また産学連携活動として、国立情報学研究所や産業技術総合研究所が中心となって設立を進めている「実践的ソフトウェア工学研究センター」や「enPiT(分野・地域を越えた実践的情報教育協働ネットワーク)」との密な連携及びそれぞれの活動へのコミットを積極的に発信する旨も了承された。

 (鈴木)

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