第1回 市場委員会

 平成24年5月24日、第1回市場委員会(委員長:岡本晋 ITホールディングス(株) 社長)がJISA会議室で委員8名、オブザーバとして経済産業省商務情報政策局情報処理振興課の松永武志係長、河野JISA副会長・専務理事はじめ事務局8名の計17名により開催された。 今年度の市場委員会では、新たな情報サービス市場の拡大及び受注ソフトウェア開発取引の環境整備に関する活動を行うとともに、取引構造の変革と中堅・中小企業のビジネス展開について検討を行っていく。

 冒頭、委員長より「今日、業界各社ではそれぞれがアイデアを出しながらサービス化へのシフトに対応しているが、韓国では社会全体におけるICT利活用がさらに進んでいる。日本でも社会全体でもっと知恵を出して取り組んでいく必要がある」と挨拶があった。

 その後、3つの部会(サービス化部会、契約部会、価格モデル部会)の活動について、前年度のまとめと今後の方向性について報告が行われた。

 サービス化部会は、サービス提供型ビジネスへの転換を促進するため、サービスビジネスへの挑戦事例を収集し、「サービス化に対するユーザ理解深耕への取組」「サービス化の人材(スキル)の発掘・育成への取組」「人月からの脱却への取組」「サービス・製品の構築への取組」「サービス化に向けた連携のあり方」の5つの切り口より課題を整理した。 また、サービス化推進のためには顧客理解を深めることが重要であり、そのためには経営トップ自らの働きかけが重要であること、サービス化は中堅中小企業にも大きなビジネスチャンスにもなること等、業界の発展と高度化に向けた提言をまとめた。

 契約部会は、今年度の活動方針として、民法(債権関係)の改正に向けた対応を行うことの他、「適正な契約類型と契約方式の選択及び適正な運用のための業界ガイドライン(平成21年度まとめ)」の見直し、改正労働者派遣法への対応等、請負適性化に向けたコンプライアンスの徹底を推進する諸活動を行っていくことになった。

 価格モデル部会は、業界を取り巻く環境変化に起因する取引関係の課題解決に向け、従来の「JISA価格モデル」を発展させ、成果物による定量的な尺度による価格決定を志向するため、前年度に引き続きJUASやIPA/SECとの連携を深めた活動を行うこととした。

 また、平成24年度の市場委員会では、変化するユーザのIT投資動向、取引関係の変化、各部会における活動の論点等を総括し、今後の情報サービス市場の将来を展望するシンポジウムを開催することとした。このシンポジウムからは、構造改革の後の「未来(明日)の情報サービス産業」を考えるうえの指標を示すことにより、平成25年度のJISA事業計画の策定に提言していくこととなった。

 次回、第2回委員会は6月にシンポジウムの企画(案)を検討する。

(手計)

  •  

このページの先頭へ▲