第2回 企画委員会 戦略プロジェクト部会

 戦略プロジェクト部会(部会長:磯部悦男、三菱総合研究所)が6月11日、JISA会議室において開催された。会議には委員9名、オブザーバー4名が参加した。今回は『地域医療福祉情報連携協議会』(会長:田中博、東京医科歯科大学)から梅田事務局長(シードプランニング)他3名を招いて、同協議会の活動についてご説明頂き、意見交換を行った。

 同協議会は、全国の地域医療体制の推進者から構成され、「地域医療の崩壊」「高齢化社会による国民医療費負担の増大」という課題に取組み、「地域医療の情報連携」「医療の再生」を目指して活動している。

 戦略ブロジェクト部会では、今後も随時、同協議会事務局と意見交換を行い、医療福祉分野の課題解決に向けた同協議会とJISAとの連携や役割分担などの可能性について引き続き検討を行うことになった。

 ICTを活用した医療福祉情報連携は、現在、市町村レベルの医療福祉情報連携が出来てきているが、今後は更に広域の連携に発展するものと考えられている。梅田事務局長は市町村レベルの医療福祉情報連携のレベルでも、医療のみならず,介護やヘルスケア、食事等のサービスなど異業種との連携が必要になっている。さらに広域な医療福祉情報連携においては異業種との連携を含めた展開が必要になるとの見通しを示された。一方、地域医療福祉情報連携プロジェクトの課題として、ランニングコストの含めたビジネスモデル作り、医療関係者へのIT教育の必要性、地域の特性などを指摘された。

 次に、奥東委員(NECシステムテクノロジー)からICT活用による地域医療連携について、データ分散型モデルやデータ集中型モデルなどのメリットとデメリット、標準を使ったデータ格納が進んでいること、関係者によって連携しようとしているコンテンツが大いに異なることなどが報告された。

 最後に堀江委員(三菱総合研究所)から厚生労働省が2次医療圏として指定している約350地域のうち、実際にその医療圏レベルでの連携に取り組んでいる地域が極めて限られている実情が報告された。その上で、まだ手つかずの多くの地域に向けて、医療福祉連携ネットワークへの取組を促すガイドを作成してはどうかとの提案があり、次回、検討することになった。

(尾股)

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