第3回 国際委員会

平成23年10月11日(火)、平成23年度第3回国際委員会(委員長:五十嵐隆富士通FIP(株)会長)が開催された。出席者は事務局を含め13名。

まず、日中部会、グローバルビジネス部会、国際公共政策部会の活動状況について事務局より以下の通り報告した。

○日中部会では、9月21日に「将来の日中ビジネスを考える」というテーマでセミナーを 開催した。「今後、数年間は開発単金の価格差を工夫して維持することが可能であり、日中間のオフショアビジネスは現状の体制で維持できる。」「オフショア開発に従事している技術者は受け身であり、市場開拓に必要な技術者は能動的でなければいけない。オフショア開発の人材を中国市場開拓に転換するのは無理がある」「日本側発注サイドはオフショア開発を国内下請けの代替として同じように使ってきたが、これからは考えを改める必要がある」等の意見があった。

○グローバル部会では、ワーキンググループを2つ(グローバルサービス検討WGとグローバル化推進WG)設置した。前者のWGでは、グローバル化のプロセスをチェックリスト化し、オートマチックにプロセスを進めることができるような仕組みを検討中。後者のWGでは、海外展開におけるビジネス体験談を集め、会員企業の参考に資するために知見集としてとりまとめる作業を推進中であることを報告した。

○国際公共政策部会では、現状のIT市場環境と国際公共政策をめぐる動向についてブレインストーミングを行った。「現在のIT国内市場の停滞は景気循環によるものではなく、構造的変化に起因している。」「従来国内中心に事業展開してきた顧客も海外へ出て行かざるを得なくなっており、我々も顧客と一緒に出て行く以外に選択肢はない」「経済のデジタル化、ネット化にあらゆる法制度や体制がついていけなくなってきている」「クラウドはある時点で本格普及を迎え、将来はごく普通のように使われることになる」「WTO交渉は行き詰まりをみせ、これからは二国間交渉が中心となる」「各国の政策は、労働者保護や消費者保護の観点から、今後は産業規制的なものが多くなると思われるので十分にウォッチしていく必要がある」等の意見があった。

○異文化交流会を開催し、充実した議論が行われたように考えているが、今後はグローバル化推進のためのワークショップとして開催することを検討したい。

次に、グローバル人材の養成を単独で行うのが難しい中堅・中小企業会員を念頭に、経験と実績のある研修事業者をパートナーとして認定し、海外研修の機会を提供することによってグローバル化推進をサポートするプロジェクトの企画について報告された。議論の結果、(1)「グローバル研修パートナー認定プログラム」を実施すること、(2)公募に応じた6者について認定パートナーとすること、の2点が了承された。今後、パートナーとMOUを結び、10月末までに概要を公表する予定。

 続く自由討議では次のような意見が出された。


グローバル研修について

○グローバル人材とは、多国籍・異文化の人材の中にあってリーダーシップを発揮できる人材と位置づけるべき。使われるだけではいけない。

○海外に免疫がない人が増えているが、交渉をとりまとめる能力のある人を育成することが重要。

○リスクをとって海外へ行き、市場開拓し、交渉をとりまとめることができる人材が必要。


ワークショップについて

○経営者と若手の交流の場があってもよい。

公共政策について

○データセンターの海外展開などについては、ビジネスセキュリティ(リスク回避)とデ ータセキュリティを分けて考えなければならない。

○クラウドなどの進展により、データが海外に所在することに対して規制措置が講じられることが想定されるが、インターネットでつながっている今日、規制すること自体どこかで無理が生じるのではないか。

周辺国との国際交流について

インドの重要性は高くなると思われるので、MOUを結んで定期的に交流すべきではないか。

(山本)

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