第2回 市場委員会

平成23年7月22日、第2回市場委員会(委員長:岡本 晋、ITホールディング(株) 社長)がJISA会議室において委員7名、オブザーバとして経済産業省商務情報政策局情報処理振興課の朝倉課長補佐、竹田係長、事務局より河野JISA副会長・専務理事他6名の計15名により開催された。

平成23年度からの新委員が参加する初回会合である。当日は平成23年度活動企画の確認とサービス化に関する意見交換を行った。

冒頭、委員長より「市場委員会では、サービスとはどういうものかということを明確にし、業界として進むべき道を提示できればと考えている。また、契約部会、価格モデル部会については引き続き活動していく。価格モデル策定の取り組みは4年目の活動であるが、今後、業界全体に広げる普及活動をしていくべきではないか。」とあった。

平成23年度市場委員会では、3つの部会(サービス化部会、契約部会、価格モデル部会)を設置することとしているが、部会長はそれぞれ以下のとおりとなった。
サービス化部会 竹田 征郎(情報技術開発(株) 会長)
契約部会 向 浩一(コムチュア(株) 会長)
価格モデル部会 宮地 秀明((株)インテック 相談役)

サービス化に関する意見交換では、構造改革におけるサービス化の議論の経緯を事務局より説明した後に、「ユーザニーズの変化について、日頃感じていること、思っていることは何か」をテーマに自由討議(ディスカッション)を行った。議論での主な意見は次のとおり(順不同)。

・新規開発の案件は少ない。また、受託開発の案件も減っている。
・システム保守作業がサービス提供型に近いビジネスではないか。
・新規開発が減っているからといって、ビジネスがSaaSに移行しているのではない。
・市場環境が改善されれば、受託開発案件が増えるのではないか
・すべての業務システムをクラウドで構築するのは難しいと思う。
・ユーザは開発方法論まで踏み込んでいない。受託でもサービス提供でも要求が満たされるならどちらでも良い。
・システム価格について、ユーザとベンダとの間に温度差があるように感じている。
・サービス化が進むとシステムの価格はいったいどうやって決めるのか。
・一時期ソリューションという言葉が流行ったが、サービス化はソリューションと変わらないのではないか。流用化などからサービスが生まれてくるのではないか。
・ITサービス化というが受託開発と何が違うのか。お客さんが欲しているものを提供するという観点では、ITサービスと受託開発が対立するものではない。
・ITコストが高い要因は、バージョンアップへのコスト負担がある。サービス化はその解決の一つではないか。
・ITへの投資力が低い中小企業が使うパブリッククラウドは発展するかもしれない。
・サービス業とはお客様満足をどの様に形作っていくかということであり、何をやるからサービス化ということではなく、お客様に満足してもらうのがサービスである。

本意見をもとにサービス化部会の活動内容について具体化する。

(大原)

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