制度の意義や内容の共有

多様な働き方の意義の明確化

多様な働き方が貴社にとってどのような意味を持つか、経営サイドとして、制度の今日的意義を明確にした上で制度運用を支援していくことが、多様な働き方の導入に向けた最初の一歩となります。
既にこうした制度を導入している企業についても、時代の移り変わりに応じて、制度の今日的意義を問い直すこと、また、実際に制度が当初の狙い通りに運用されているかを検証することは重要です。

従業員に対する制度の意義や内容の伝達

次のステップとして、貴社における制度の今日的意義や制度内容を、経営メッセージとして従業員に発信する必要があります。制度の意義や内容は、制度を利用する、あるいは利用を希望する従業員だけでなく、全従業員に浸透させることが重要です。
従業員が制度の意義や内容を十分に理解していないと、折角の制度が形骸化してしまい、制度を利用すれば退職せずに済んだ優秀な人材が流出する等、制度本来の目的を達成できないことになってしまいます。また、多様な働き方の導入は、制度利用者だけでなく、職場での仕事の進め方や従業員全体の働き方の見直しにつながるものです。このような意味でも、全従業員への多様な働き方の意義や内容の周知徹底は不可欠だと考えられます。
制度の周知のための具体的方法としては、一般従業員やマネジャーを対象に、ガイドブック等を作成したり、社内のイントラネット上に制度の意義や内容を掲載したりするといった方法が考えられます。

制度の規定化

制度内容を周知徹底し、効果的に運用していくためには、制度を実態として持っているだけでなく、就業規則や人事規定にきっちりと明文化する方が望ましいでしょう。
規定化されていないと、制度利用者が少なくなると制度自体が徐々に忘れ去られてしまうことが懸念されます。実際の運用場面によって取り扱いがまちまちになるのも心配です。少なくとも、対象者、適用期間や内容、適用期間中の労働条件(賃金、評価、福利厚生等)といった基本的な項目については、規定化しておく方が望ましいでしょう。
なお、制度を規定化した後も、制度運用の現場からの評価や改善要望等を定期的に把握し、制度設計や運用のあり方を柔軟に見直していく仕組みがあれば、多様な働き方が、会社と従業員の双方にとって意味ある制度として機能し続けることが期待できるでしょう。

制度運営のアドバイス